相談概要
-
背景
- 40代・男性。双極性障害の現在治療中。過去にはうつ病、境界性人格障害、気分変調症、睡眠障害の診断歴あり。
- 育児や就労が困難な状況で、未就労状態が続いている。
- 障害基礎年金の受給を検討しているが、発症時期が高校在学中(18歳未満)で、初診を受けた病院がすでに存在しない。カルテも残っておらず、薬剤情報提供書のみが手元にある(ただし日付の記載がない)。
主な悩み
-
初診日の証明が困難
- 初診を受けた病院が閉院しており、カルテが入手できない。
- 薬剤情報提供書はあるものの、日付を証明する記載がなく、客観的な証拠として不十分かもしれない。
-
二十歳前障害の申請の可否
- 18歳未満で発症した場合、本来は保険料納付要件にかかわらず障害基礎年金の申請が可能だが、初診日が証明できないと審査が難航する懸念がある。
-
生活の継続・安定
- 就労できない状態のなか、金銭的な不安を抱えており、早期に障害年金の受給可否を知りたい。
留意点
-
初診日を立証できる資料探し
- 医療機関の紹介状や健康保険の受診履歴、当時の処方箋や手帳の記載など、あらゆる記録を改めて探す必要がある。
- 家族や学校関係者の証言(第三者証明)なども補足資料として検討できる場合がある。
-
二十歳前障害の手続きルール
- 二十歳前(18歳未満)での初診が証明できる場合、保険料の未納などの問題があっても障害基礎年金の申請が可能になることが多い。
-
専門家への相談がカギ
- 初診日を特定できない案件はハードルが高いため、経験豊富な社会保険労務士へ相談し、必要書類を集めるサポートを得ると手続きが進めやすい。
回答・アドバイス
-
初診日に関わる証拠をあらゆる角度から探す
- 閉院した医療機関でも、関連施設や引き継いだ病院がある可能性を調査。
- 処方薬の情報提供書、健康保険の履歴、学校の保健室記録や相談履歴など、証明に使えそうな資料を洗い出す。
- 家族や知人の証言を書面化して提出する「第三者証明」の活用も検討。
-
専門家とともに障害認定日請求の可否を検討
- 二十歳前障害の手続きに精通した社会保険労務士に依頼すれば、書類の不備を補う提案や第三者証明の方法などを具体的にアドバイスしてもらえる。
-
結果が出るまで根気強く取り組む
- 書類が揃わない場合や証拠が不十分な場合、追加で資料を提出するよう求められることがある。
- 閉院や紛失で情報が乏しくとも、諦めずに可能な限り証拠を集めることが重要。
まとめ
本事例では、高校在学中(18歳未満)に発症した精神疾患について、初診日の証明が難しい状況で障害基礎年金の申請を検討しているケースです。二十歳前障害が認められれば保険料納付要件は問われない一方、初診日を立証する資料が不足しており、申請は容易ではありません。医療機関の紹介状や処方履歴、第三者証明などを総合的に活用する必要があります。専門家(社会保険労務士)と連携しながら粘り強く証拠を集めることで、申請の可能性を高めることが期待できます。
コメントをお書きください